2008年12月26日

[ 「ベター・ハーフ」唯川恵

タイトルの「ベター・ハーフ」とはギリシア神話の伝説です。
『天国にいたときに一つだった魂は、神様によって二つに分けられ、二人の人間として地上に産み落とされる。ひとつの魂からできていた二人は、やがていつか再びめぐり合い結ばれる』
という話です。
要は運命の人とは、産まれる前は一つの魂だったということです。
“ビビビ婚”(古い…)というのもこの話を聞けば納得がいくということでしょうか。

さて、ストーリーですが、ある男女の結婚式から始まります。
時代はバブルの絶頂期。甘い結婚生活を思い描いていましたが、控室に夫の元恋人が刃物を持って乱入し、自殺未遂を起こすという最悪のスタートを切ります。
その後も二人には様々な問題が降りかかり、離婚したくてもできないような日々が続く。

という展開が夫、妻お互いの視線から交互に描かれています。
こういう書き方をすると凄く不幸な話のように感じますが(実際うんざりするくらいの不幸がありますが…)、決してそれだけではありません(少なくとも自分はそう思いました)。
結婚の理想がずたずたに引き裂かれるかもしれませんが、それでも読み応えは満点です。

文庫版の解説にも書いてありましたが、最終的に言いたいことはこういうことではないでしょうか。
もともと一つの魂だった運命の二人でも、出会う前に様々な経験をし、あらゆる面で成長したり欠けたりするので、完璧に一つに重なり合うことはない。
ま、当たり前といえば当たり前ですが、そういうことを強く感じさせる小説です。

多分、女性の読者が多い唯川恵ですが、男性が読んでも面白い作品だと思います。
posted by にしぉ at 10:41| Comment(0) | 感動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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